創業万延元年 松の司

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松の司の「現在」

兵主大社御鎮座1300年記念〈二十四節季撮影〉1月

2023-01-23

こんにちは蔵人 原です。

酒造りの季節が始まり、ずいぶんと更新が滞ってしまいましたが、先日行われた兵主大社さんでの1月用の写真撮影の様子をお伝えします。


まずは1月上旬《小寒》の撮影から。

【軸】
 三輪休雪 一行書「好事不出門」
【器】
 湖東焼 段重・徳利など
【料理】
 おせち、雑煮
【酒】
 松の司 純米大吟醸 黒

三輪休雪さんの書『好き(よき)こと門を出ず』という一見「福は内」的なお軸と華やかなおせちで彩るお正月の風景。

ただ、この言葉の後ろには『悪事千里をゆく』と続くそうで、「悪いことはすぐに人に知れ渡る」という戒めを持ってこれからの一年気を引き締めて過ごしましょうということのようですね。

今回このハレの日の風景に合わせたのは「純米大吟醸 黒」です。

選りすぐりの逸品たちをミニマイズしたおせちには、料理それぞれに日本らしい品や格を感じます。そんな逸品たちに対して、「黒」は落ち着いた香りと味わいで寄り添いながら、互いの繊細で上品な味わいを引き立て合うはずです。

まさに静かな風格漂う年の始めのマリアージュですね。


続きまして1月下旬《大寒》の撮影です。

【軸】
 山元春挙「蓬莱仙境図」
【床】
 三輪休雪 オブジェ、兵主蕪
【器】
 三輪休雪 茶碗「雄山」「穂高」など
【料理】
 蕪汁、蕪むし、湖魚(ワカサギ)、甘酒
【酒】
 松の司 純米吟醸 あらばしり

青い空間に三輪休雪さんの真っ白なオブジェや荒々しい雪山を思わせる茶碗たち。

山元春挙さんのお軸の中には仙人が住むといわれていた蓬莱の仙境が描かれ、なんとも浮世離れした冬の景色に感じます。

この荒凉とした取り合わせの中に「あらばしり」のボトルがまるで氷柱のようで馴染みました。

もちろん酒そのものとしても、蕪汁や蕪むしのやわらかな甘みや出汁の風味に対して邪魔をせずさわやかな香りを添え、フレッシュなミネラル感や軽い渋みはワカサギの南蛮漬けともよく合います。

日本らしいハレの日の上旬の風景と中国の仙境のような下旬の風景。

どちらの写真も仕上がりがとても楽しみです。

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